人気ブログランキング | 話題のタグを見る

シュジ・ナシマラの思いの丈(第1回&第2回)

第一回:レドンドビーチの魚 (2007年8月)


先日、レドンドビーチのピアで「チョークアート・フェスティバル」が開催されまして、気軽に参加してみました。

11時半から受付開始だったのですが、少し遅れてピアへ行ってみると、もうすでに沢山の人がピアの地面に座り込んでチョークで絵を描いていました。

受付で参加登録を済ませ、数本セットのチョークをもらいます。

絵を描くスペースは地面に区分けされていて、自由に選びます。ま、どこだっていいんですけど、カモメらの糞のないやつを選びました。

今回のフェスのテーマは「レドンドビーチ、現在、過去、未来」だそうで、まぁなにか縁起のいい魚でも描いたろか、と下絵を予め用意して描き始めたわけです。
日陰があるわけもなく、炎天下、帽子に長袖のシャツ、作業用のパンツをはいて描きました。

普通に観光で訪れている人が沢山とおりかかり、私の絵を見ていきます。
時には人だかりができたり、写真をとらせてくれといわれたり…。
ちょっとした大道芸のようで…。

赤い魚を描いたので、見る人見る人、みんな口を揃えて『Look at that KOI fish!』と。
いやいや、鯉ちゃう〜いうねん。海に鯉がおるんかぇ!!と心の中でおもいつつ描き進めました。

チョークで絵を描くのは初めて。
いつも描く、アクリルや鉛筆とは勝手が違います。
風がふくとチョークの粉がとんでいく〜。
指で地面にすりこんだりして、行き当たりばったりの制作で、指がジンジンしてきます。

水をふくませて筆で描いたりもできるのを後で知りました。
私は専らこすりつけるばかり。
夕方5時前にようやく完成。潮風が肌寒くなってきました。

特設ステージで閉会式ならびに表彰式、とおもいきや、くだらないカントリーバンドが演奏を始め、どこからか湧いて出て来たジジババ・カントリーファンがステージ前で並んで踊りだす始末。

結果をはよおしえてー、かえりたいー、と。寒いし…。

さて、いよいよ結果発表。
小さい子供の部門から、青年の部から、一般の部と発表。

私の名前はよばれず…。あかんかったか、と思いきや!

総合評価の発表があり、3位で呼ばれず、2位で呼ばれず…。そして1位で!!
私の名前はついに呼ばれませんでした。

人だかりができたり、みんな「すごい」といってくれて、一緒にいた私の家族は得意げでもあり、入賞を確信していたというのに…。

かすりもせず???

息子は大粒の涙を流し、妻はスタッフのところへ走りました。私は…「ま、ええわ」と帰る用意。

なぜ選ばれなかったか…。
完成後、完成した旨を伝えに受付のところに報告しつつ、自分の描いた絵のスペースの番号を申請しなきゃいけなかったらしい。申請者が審査対象になるんです。

最初、参加登録した時、そんなこと、スタッフはひとっこともいうてくれんかったわぇ!おのれがわるいんちゃうんかぇ!!とガラのわるい関西人になることなく、大人しく、それとなく抗議。

対応してくれたスタッフは私の絵を直接みており、選ばれなかったことを不思議におもっていたのも事実だったようで。ええ、結果発表でも私がステージにあがらなかったのを不思議がるひとが何人もいたんです…。

最優秀は同点評価で2人でました。そのうちの一人が自分だけが優勝しなかったことを不満に思い、受付に抗議にきてましてね。

『オレはアーティストなんだ!』っていう勢いで。

そこのスタッフが彼にいいました。
「あなたはラッキーでした。赤い魚の絵見たでしょう?それを描いた彼が申請することをしらなくて、審査からもれたんです。彼が審査対象になっていたら、あなたは選ばれなかったでしょう。」と。

いずれにせよ、審査結果は覆ることはありません。

私は最優秀賞ではありませんでしたが、特別賞をいただきました。賞をとったのは何十年ぶりでしょう。
翌日のDaily Breezのローカルの誌面に写真がでていました。レドンドビーチの新聞からも取材を受けました。新聞にのるとはねぇ。

後日、当日用意できなかった、記念トロフィーが送られてきました。
イルカと戯れる、人魚の置物でした。

初めてやったチョークアート。まだまだ落書き程度でしかないのですが、もっとその道も極めてみたいものです。

もう来年何を描くか、考えているところ。

この時のcafemaman記事はこちら→


**********

2008年4月にはロングビーチのチョークアートに参加したけど、なぜかそのときの記事が私も彼もなし。
受賞ももちろんなし(笑)。

**********


第2回:Pasadena Chalk Art Festival!!!(2008年6月)

6月14・15日の2日間、パサデナのPaseo Coloradoというショッピングモール内で開催されたチョークアートのコンテストに参加した。

チョークアートのイベントはロサンゼルス各地で催されているが、このパサデナのコンテストはその中でも特に規模がでかい。それもそのはず。手がける作品は2日間かけて、個人で、あるいはグループで完成させる特大アートで、サイズにはとくに規定はないのだが、大抵キングサイズのベッドかそれ以上の大きさの絵を描く人が大半だ。

私が描いたのも、凡そそれくらいのサイズ。受付開始の時間前に行って、チェックインをすませてから、早速スペース確保。と思ったら、ほとんどが参加者によって前もって場所取りされてしまっていた。探しまわって、ようやくみつけたスペースはメインの通りから随分離れた、目立たない所で…。まぁ、見物人にがやがや邪魔されることもないし、完全に日陰だし、いいか、と制作スタート。

いきなり人物の顔から描き始めたのだが、どうもうまくいかないというか、納得がいかず、随分それだけで時間をとられてしまった。

一日の制作終了時間は6時かそこらと言われていたけど、まわりで描いている人も帰りそうにない。とりあえず8時くらいまで続けたが、出来たのは中央の人物だけ。「明日一日で仕上がるのか…」という不安もあったが帰宅。

翌日は早朝、まだスタッフも誰もいない時間に行って制作開始。すでに始めている人もいたんだが…。
3時に仕上げてください、というアナウンスがあって、かなり焦り始めた。

まにあわない〜!!!!!

かなりのハイぺースでどうにか3時で完成とした。
しかし3時どころか、5時や6時になっても描いている人がいることがあとでわかったので、自分ももうちょっと余裕をもって描けばよかったな、と少し後悔…。

午後7時。いよいよ表彰式。いろいろな賞が発表され、3位、2位といよいよ大詰め。
まだ私の名前は呼ばれず。いや、入賞なんかしなかったのだ。チョークアートでは。

今回、参加者に課題があって、12インチ四方のカンバスに何か絵を描いて提出しないといけなかった。
それをオークションにかけて、収益をチャリティーにあてる、というもの。

そのために描いた私の絵(ジョン・レノンの顔)が、なんと最高落札金額を出してしまったので、そのための賞をいただいた。

自分でも驚いたが、ダントツの金額だったのだ。
うれしいのが半分、制作時間3日で賞味6時間なのにこれでいいのか、という気持ち半分。
チャリティーなので自分への収益はないのだが、そんなのはどうだっていい。
ただ、こういうことがあって、増々絵を描きたくなった。

チョークアートについては、反省点が多く、それを活かして来年はなんとか入賞できるような絵にしたいと思っている。入賞しなかったのに、なんだか自信がついた。

製作中、指でチョークをコンクリートのざらざらした表面にこすりつけるので、全部の指先がぼろぼろになってしまった。


この時のcafemamanの記事はこちら→


********


続く
# by bebemaman | 2007-01-01 08:12